言うは易し、やるは難し
まさか俺の人生はこんな事になるなんて思ってなかった。
充実感のある恋愛をした事のない彼女なし未婚の41歳、しかも恋愛に発展しそうな女友達もいなくて、出会いはマッチングアプリや相席居酒屋などに頼るしかないという厳しすぎる状況になってしまった。
そんな今だから痛感するが、ある程度普通の男なら遊びまくれる20代~30代半ばの黄金期になぜ「遊ぶなら今だ!」と自覚して徹底的に遊ぶ事が出来なかったのか。
この事は、もし俺に息子がいるとしたら絶対に教えたいくらい重要だと思う。
それくらい俺は今、20代30代の自分の考えの甘さに腹が立っている。
「一生懸命に仕事をしたり、趣味を楽しみ、その仲間たちとの繋がりを大事にしていれば自然といい出会いが訪れる」
くらいに考えていた。
そして20年もの間それを疑って対策を練ったり大きくやり方を変える事をしなかった。
こういう状況に追い込まれて初めてその愚かさに気づいた時にはもうすでに遅すぎた。
だがしかし、どんなに遅くとも人間、自分の過ちに気付いてからが始まりではないか?
そう思いたいし、もはやそう思って前を向いて頑張るしか道は残されていない。
何かやり方を変えるしかないだろう。
まずはこうなった原因を考え、その改善策を練る必要がある。
1つ目の原因として、人を怖がり信用せず心を閉ざすという俺の性質、またそれによる社交を避ける態度が大きいと思われる。
一気に180度社交的に転換するというのはストレスが大きすぎて無理があるが今より少しだけ頑張って社交的に振る舞う必要はあるだろう。
2つ目の原因は、趣味の分野に対する戦略的アプローチの不足が考えられる。
趣味の世界での出会いはその時点で共通点があるという有利な状況なので、趣味を追及する事は出会いにとって有効な手段である。
しかし、自分のリアルな趣味は1人カラオケくらいであるため上手く外の世界に繋げる事が出来ていなかった。
今後はもう少し外と繋がれるような趣味を頑張って行っていくべきだろう。
3つ目の原因は、か弱い内面を隠すために筋肉をつける事がカッコ悪いと思い、筋トレをせずにいつまでも貧弱な体を放置し続けてきた事だろう。
対策としては単純に毎日筋トレを頑張るしかない。
4つ目の原因は、実際に顔を見てからアプローチするか決めず、マッチングアプリという手軽な出会いばかりを繰り返している事だ。
時間・手間・お金をかけた割にいざ会ってみると見た目が好きになれなかったり、何か空気感が合わなかったりする事が多く、今までのアプリでの経験から見ても確率的にとんでもなく非効率な出会いであると言える。
セフレや一晩限りの相手をたくさん作りたいのであればアプリが丁度いいのかもしれないが、自分好みでまともに長く付き合える相手を見つけたいなら、この辺で今までと同じ事はやめて、最初から実際に面と向かった出会いを意図的に作り出して行くべきだろう。
という文章を1年前スマホのメモ帳に書いていた。
そして現在、状況は変わっていない。
微妙にではあるが、頑張って前より社交的な行動を取ってるような気もしないでもないが、大した変化や出会いはない。
筋トレはツラくて3日で止めてしまった。1年前より更に筋力が衰えた実感がある。
趣味も相変わらず1人カラオケに行くくらいだ。それによって歌が上達した実感はあるが、だからどうという事もない。
マッチングアプリも、いつかカワイイ子と出会えるかもという夢を捨て切れずTinderをまだやっているが、40になってから明らかにマッチングしなくなっている。
やはりダメな時と同じような事をし続けていれば現状は何も変わらない、そしてそれどころか、改善に向けた何らかの努力をしないと現状は悪化していくだけ、という単純な事が、いま改めて突きつけられている。
言うのは簡単、考えるだけなら簡単だ。
1年後、俺はまた同じような文章を書く事になるのだろうか。